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Special Talk Session特別対談

株式会社興建社 野村不動産

プラウド椎名町ガーデンテラス

野村不動産を代表する
マンションブランド「プラウド」。
いかなる状況でもその高い品質を
実現する現場の力に迫る。

興建社が手がけた物件の背景にある物語にスポットを当てる対談企画。今回は、2022年8月に竣工した野村不動産「プラウド椎名町ガーデンテラス」を紹介。妥協なき細部へのこだわり、コロナ禍やウクライナ情勢などの影響による困難な物資調達など、高いハードルをいかにして乗り越えていったのか。その舞台裏に迫ります。

プラウド椎名町ガーデンテラス

  • 2022年8月竣工。5階建て32戸の分譲マンション
  • 落ち着いた住環境の椎名町の雰囲気に調和しながらも特別感を意識
  • 国産木材による木質化を推進し、椎名町から連想される椎の木の造作ベンチを設置するなど、地域に根差したストーリー性を表現
  • トキワ荘や長崎アトリエ村といったクリエイターが集った歴史をコンセプトに、ロフト住戸、1畳のワークスペースなど、全プランに「アトリエのような作業スペース」を設置

GUEST PROFILE

過去6棟の施工実績で
揺るぎない信頼

畠

興建社さんにお願いした理由は、大きく2つあります。ひとつは、過去の施工実績です。プラウド荻窪三丁目(2020年11月竣工)、プラウド池上(2019年7月竣工)、プラウド府中美好町(2018年7月竣工)など、これまでに6棟のプラウドシリーズを施工いただき、いずれも高精度の仕上がりで社内での評価も高かったこと。

もうひとつが、小規模マンションの施工を安心してお任せできること。都心の限られた土地でプラウドシリーズを建設する上で、どうしても小規模(30〜50戸程度)な物件も多くなります。じつは、予算的にこの規模の施工管理をお願いできるゼネコンは少なく、さらに確かな施工技術を求めると、その数は限られてきます。今回のプラウド椎名町ガーデンテラスは32戸。前回のプラウド荻窪三丁目も同規模の42戸で非常に丁寧に施工していただきました。私たちの物件にかける思いを理解していただき、妥協することなく最後まで共に作り上げてくださるのは興建社さんしかいないと思い、お願いしました。

小池

弊社の特徴でもある細部へのこだわりについても、これまでの施工実績を通してご理解いただいていることは心強いですし、常に期待を上回る提案をいただけるところも非常に信頼しております。

今回の物件は木質化を意識したラウンジとなっており、木質ルーバーの中に置き型エアコンを設置し、メンテナンス用開き扉の丁番が出ないように製作図の打ち合わせを何度も行った結果、非常に完成度の高い納まりを実現できました。一般的には丁番を表側に付けますが、金具が見えるのはデザイン的に避けたいという意向があり、見えない納まりを現場所長の三宅(正泰)さんと何度も検討し、最終的に床と天井の上下に付ける納まりにしました。これまでにない手法を取り入れて難題をクリアすることができ、今後別の物件でも応用できる事例となりました。

畠

実際に竣工した物件を社内のさまざまな部署の方が見に来て、「この納まりは素晴らしい」と絶賛していました。製作図が欲しいと多方面から要望を受けています(笑)。

篠原

ありがとうございます。うれしいですね。所長の三宅は、細かなコミュニケーションを大切にして、楽しみながら試行錯誤を繰り返していくタイプなので、その良さが最大限に発揮できたと思います。ハードルの高い課題をクリアできたのは双方にとって非常に良い結果となりました。

細部の出来で
印象は大きく変わる

―今回の物件では、さまざまな挑戦的取り組みがあったと伺いました。

小池

そうなんです。先ほどお話しした木質ルーバーのほかにも、ハードルの高い課題や、初めて使用する素材など、私たちにとってもチャレンジングな部分が数多くありました。いくつか例を挙げてご紹介します。 木質化はSDGs観点でも注目されており、弊社でも注力している取り組みのひとつです。今回はラウンジの一部に天然木を使用しています。
また、最上階の住戸はロフト付きの天井高の高さが特徴の部屋を設けています。ロフト付きの住戸は弊社でも珍しく、何十年ぶりかの事例となりました。

篠原

賃貸物件にある屋根裏部屋の収納スペースのようなロフトは我々も手がけたことはありますが、今回のような作りのロフトは初めてでした。

畠

そうですよね。今回は造作の階段にしました。戸建の2階のようなイメージですね。天井高4.7mのリビングで、上部の空間がつながっている非常に開放感のあるスペースになっています。

小池

外観では特に敷地北側の修景壁にこだわりました。周辺の外構との呼応を意識し、地域との調和と高級感の創出を意識しました。樹影の映える修景壁で外構を囲むことで、街並みを良化させる開いた外構計画になっています。

畠

この修景壁は当初から作りたいと考えていました。周辺の外構と呼応する3.5mの壁を作ることで、素晴らしい道になるのではないかと考えたんです。最初はコンクリート打ちっぱなしを想定していましたが、職人の味が出る版築仕上げのようにしました。パターンの違う塗り壁材を多層に分けて塗ることで、凸凹した土壁のような雰囲気を出しています。この修景壁の前に高木を植えてあり、夜はライトアップすると陰影がついて樹影がきれいに映るんです。道が明るくなることで、通る方たちの安心感にもつながるようにしています。

原田

修景壁を実際に施工するのは今回が初めてでした。確かな技術をもった塗装職人さんにお願いして、柄の決定、目地の配合など、細部にわたって時間をかけて検討いただきました。

畠

三宅さんがしっかりと現場で施工管理をしてくださった結果、目地もしっかりとして、その上の塗装もうまくいった。細部の出来で印象は大きく変わるので、イメージ通りに仕上げていただき、感謝しています。

先を読む力による
工期短縮が奏功

―コロナ禍、ウクライナ情勢などにより、物資調達が困難になるなどの影響を最小限に抑え、施主、設計、施工の3社が協力し合うことで納期に間に合わせることができました。この困難を乗り越えた協力体制について詳しく教えてください。

原田

使用する資材や商材を決めて早めに発注・納入し、必要に応じて資材を作業所内にストックすることで万全の準備を整えました。

小池

ラウンジの木質天井には、白いライトや煙感知器は合わないので、どうしても黒にしたかったんです。その意向を見越して1年以上前から発注して確保できたのは大きかった。現場から先を読んだ提案をいただくことも多く、本当に助かりました。

篠原

電機、給排水など、野村不動産さんの施工実績がある施工会社さんの力は大きかったですね。仕様やデザインについて細部まで理解しているので、そういった先を読んだ提案をもらえるんですよね。

畠

施工の前段階でいかにスムーズに準備できるか。納期を守っていただく上でも、そこは重要なポイントですよね。今回は、三宅さんの先を読む力と妥協しない推進力、各施工会社さんのご提案のおかげで、当初予定よりも短い工期で完成することができました。その分、植樹も早くできて、よく育って見栄えもよくなった。いいことづくめですね。

篠原

ありがとうございます。我々としても、野村不動産の検査スタッフの方々が現地に足を運んでチェックしてくださることで大変助けられました。実際に現場を見ながらその場で指示をいただけるので、指示を受ける側も理解しやすいんです。配筋ごとに来てくださる上、こちらの都合に合わせて「いつでも行きますよ」と柔軟に対応してくださる。細かなニュアンスをその場で一緒に確認し、共有できるのは本当に大きなことです。

畠

そうですね。やはり、私たちの「こうしたい」という思いやイメージを共有することが、なによりも大切ですよね。しっかりとコミュニケーションを図って、現場で一緒に考えて形にしていくことが、ものづくりの醍醐味ですし、重要な部分だと考えています。

原田

野村不動産さんの細部へのこだわりを実現する上で不可欠なことですよね。デザインも品質も、すべてにおいて先を見据えている。野村不動産さんの経験や知識を、私たちも施工を通して学ばせていただくことができました。この経験を次に活かしていかないといけないとあらためて感じています。

お客さまの満足度が示す
完成度の高さ

―最後に、完成に至っての感想をお聞かせください。

小池

私にとっては入社して初めての担当物件で、わからないことも多々ありましたが、三宅さんには丁寧に対応いただき、本当に感謝しています。興建社さんでなければこの物件は実現しなかったでしょうし、期待を大きく超える素晴らしい完成度で大変うれしく思っています。

畠

工期を短縮できた分、内装に時間をかけて丁寧にチェックできたことがお客さまの満足度につながっていると思います。

篠原

先手を打つ動きによって最後の仕上げの日程に余裕が生まれ、こうして高い評価をいただくことができました。ありがたいことですし、今後の励みになります。

原田

私は今回初めてプラウドシリーズを担当させていただき、野村不動産さんのものづくりにかける思いや向き合い方に触れて、非常に刺激を受けました。みなさんのご協力のもと無事に引き渡しができ、高評価をいただけたことは、大きな喜びです。今後も同様の評価をいただけるように頑張りたいと思います。